
同じものを食べても、時間次第で効果が変わる!?時間栄養学でおいしく健康に ⑤(全5回)
时间栄养学の総决算!寿命のカギを握る「テロメア」を长持ちさせるには?

これまでお话してきた「时计遗伝子」のほかに、私たちの体にはもう1つ、时计が备わっています。それが「テロメア」。今回は老化や寿命のカギを握る「テロメア」をテーマに、健康で长生きする生活习惯をみていきましょう。

これまでお话してきた「时计遗伝子」のほかに、私たちの体にはもう1つ、时计が备わっています。それが「テロメア」。今回は老化や寿命のカギを握る「テロメア」をテーマに、健康で长生きする生活习惯をみていきましょう。
时间栄养学を无视した影响は、50代から现れる
朝食を食べずに过ごす影响は、若いうちはなかなか気づきにくいもの。すぐに太るわけでもないし、一気に血圧が上がるわけでもなく、自覚しづらいのですが、50代になってからその影响がはっきりと现れるようになり、気がつけば生活习惯病への道をまっしぐら、ということになりかねません。これには、遗伝子情报を伝える染色体を保护するために、その両端についている遗伝子「テロメア」が深く関わっています1)。

健康长寿につながる「テロメア」とは?
「テロメア」は「时计遗伝子」とともに、时间栄养学の発展を支えているもう1つの时计です。ただし、「时计遗伝子」のように周期ごとに繰り返し刻む时计ではなく、やがて终わりがくる命の砂时计のようなもの。
染色体の両端にある「テロメア」は、通常、生まれたときに约1万塩基の长さを持っており、细胞分裂を繰り返すたびに短くなっていきます。おおよそ年平均50塩基ずつ短くなっていくとされ、5000塩基になると细胞が分裂できなくなります。
ところが急速な细胞分裂が生じるとテロメアの短くなるスピードも上がり、早くに细胞分裂ができなくなり老化します2)。细胞が老化した体の组织は机能低下し、生活习惯病にかかりやすくなるのです。
例えば、50代で同世代の人より1000塩基分「テロメア」が短い人は、通常の人に比べ心筋梗塞や脳卒中のリスクが3倍高くなります3)。つまり「テロメア」を长持ちさせることが长寿の秘诀といえるのです。

テロメアを长持ちさせる生活习惯
「テロメア」を长持ちさせる生活习惯は、简単にいえば、时间栄养学に则ったバランスの良い食事と规则正しい生活につきます。暴饮暴食、喫烟、肥満、不规则な生活をおくるたびに、命の回数券「テロメア」を无駄づかいしてしまう、と考えれば、おのずと改善したくなるのではないでしょうか。最后に「テロメア」にとって何が良くて、何がいけないか、注意点をまとめておきましょう。
「テロメア」に良い食べ物、悪い食べ物
「テロメア」を长持ちさせる栄养素として、叶酸、食物繊维、ビタミン贰などが挙げられます。特に叶酸は、遗伝子に直接必要なビタミンの1つです4)。これらがたくさん摂れるのは全粒穀物や野菜、果物、豆类など。毎日、意识して摂るようにしましょう。一方、「テロメア」を缩めてしまう栄养素はリノール酸、饱和脂肪酸、脂肪分を调整していない全脂肪など4)。最近の研究では、加工度の高いジャンクフードを定期的に摂取することが、テロメアを缩める要因であることがわかっています5)。

睡眠不足、肥満、ストレスは大敌
睡眠不足は「テロメア」にとって大敌。1日およそ7时间、良质の睡眠がとれるよう心がけましょう。また、肥満も「テロメア」を短くする要因なので、適度な运动習慣を身につけることが大切です。そして、過剰なストレスは「テロメア」の短縮を加速させます。気分転換、リフレッシュの時間をとり、ストレスをため込まないよう心がけましょう4)。
このシリーズ(全5回)の他の记事を読む
①知らないと损!时间栄养学は、食べ方ひとつでもっと健康になれる"虎の巻”
②头脳にもスポーツにも长生きにも深イイ関係 朝食を食べる、食べないで人生が変わる!?
- 1)Kagawa Y. From clock genes to telomeres in the regulation of the healthspan. Nutr Rev. 2012, Aug;70(8):459-71, doi: 10.1111/j.1753-4887.2012.00504.x.
- 2)Aubert G, Lansdorp PM. Telomeres and aging. Physiol Rev. 2008, Apr;88(2):557-79, doi: 10.1152/physrev.00026.2007.
- 3)Fitzpatrick AL. et al. Leukocyte telomere length and cardiovascular disease in the cardiovascular health study. Am J Epidemiol. 2007, Jan 1;165(1):14-21, doi: 10.1093/aje/kwj346.
- 4)Cassidy A. et al. Associations between diet, lifestyle factors, and telomere length in women. Am. J. Clin. Nutr. 2010, 91(5):1273-1280, doi: 10.3945/ajcn.2009.28947.
- 5)Maira Bes-Rastrollo, Amelia Marti. et al. Ultra-processed food consumption and the risk of short telomeres in an elderly population of the Seguimiento Universidad de Navarra (SUN) Project. Am. J. Clin. Nutr. 2020, 111(6):1259-1266, doi:10.1093/ajcn/nqaa075.
- 6)田中明, 蒲池桂子. あたらしい栄養事典. 日本文芸社, 2016, p.169, p.179, p.145.
<监修>
香川靖雄
女子栄养大学副学长/自治医科大学名誉教授/栄养科学研究所所长